吊橋の専門家の分析・提案により、影響の大きい活荷重に制限を設け、主ケーブルの全強の復旧を行うのではなく、部分的に強度回復する方針を立てた。「通行人数を10人以下に制限」することで、部分的な補強に留め、経済化を図った。
現地調査時(R1.5)の助言から、土中に埋没した定着部を掘削調査(R3.3)した結果、3~5割の素線が破断していた。これに対し、既存の主ケーブルの根元に力がかからないよう、主ケーブルの途中から新しい「バイパスケーブル」を追加し、新設アンカーで支える工法を採用した。
工事後のアンカー部(右岸)
工事後のアンカー部(右岸)
三者連携による現地調査・提案を経て、2025年3月に補修補強工事が完了した。同月には、地元主催の渡り初め式が行われ、地元住民が猿飼橋の再供用を祝った。
インフラメンテナンス国民会議近畿本部フォーラムはこの成果を受けて、2025年10月に現地視察会を行った。実地で施工の様子や協定に参画する三者の所感、評価等を踏まえ、猿飼橋の再供用の成果を報道関係者に公開した。
また、同年11月に「建設技術展2025 近畿」内で近畿本部フォーラムが開催したイベントでは、十津川村、本州四国連絡高速道路(株)により猿飼橋の再供用についての報告が行われ、本協定の取組や成果が広く周知されることとなった。
本協定では今後も、人道吊橋の維持管理技術確立に向けたフィールド提供や、他自治体への人道吊橋補修にかかる情報提供を行う方針である。
現地視察会の様子(左岸)
渡り初め式の様子(右岸から左岸を臨む)