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猿飼橋の補修補強による再供用


猿飼橋の補修補強による再供用

猿飼橋
猿飼橋(さるかいばし)
架設:1960年頃(約65年経過)
橋長:143.4m(単径間人道吊橋)
1960年頃に架設された猿飼橋は、近くに小学校・保育所や温泉街があり、地元住民の生活道や観光客の散策道として利用されていたが、2015年12月の定期点検で主塔基部の亀裂等により健全性診断Ⅳ判定となり通行止めとされた。設計図書がなく、重機も入らない山間地のため、一時は「廃橋」も検討された。
橋の架替えには多額の費用が必要なことから人道吊橋のメンテナンス技術相互協力協定の枠組みを活用して概略の補修補強方針を検討し、エム・エムブリッジ(株)の補修補強案を元に詳細設計を行い地元の建設会社,長谷川・西JVにより、補修補強工事を行い、2025年3月に再供用した。

【 補修工事の概要 】

  • 活荷重制限の導入による部分補強

    吊橋の専門家の分析・提案により、影響の大きい活荷重に制限を設け、主ケーブルの全強の復旧を行うのではなく、部分的に強度回復する方針を立てた。「通行人数を10人以下に制限」することで、部分的な補強に留め、経済化を図った。

  • 「バイパスケーブル」の採用

    現地調査時(R1.5)の助言から、土中に埋没した定着部を掘削調査(R3.3)した結果、3~5割の素線が破断していた。これに対し、既存の主ケーブルの根元に力がかからないよう、主ケーブルの途中から新しい「バイパスケーブル」を追加し、新設アンカーで支える工法を採用した。

工事後のアンカー部(右岸) 工事後のアンカー部(右岸)
工事後のアンカー部(右岸) 工事後のアンカー部(右岸)

【 成果 】

三者連携による現地調査・提案を経て、2025年3月に補修補強工事が完了した。同月には、地元主催の渡り初め式が行われ、地元住民が猿飼橋の再供用を祝った。

インフラメンテナンス国民会議近畿本部フォーラムはこの成果を受けて、2025年10月に現地視察会を行った。実地で施工の様子や協定に参画する三者の所感、評価等を踏まえ、猿飼橋の再供用の成果を報道関係者に公開した。

また、同年11月に「建設技術展2025 近畿」内で近畿本部フォーラムが開催したイベントでは、十津川村、本州四国連絡高速道路(株)により猿飼橋の再供用についての報告が行われ、本協定の取組や成果が広く周知されることとなった。

本協定では今後も、人道吊橋の維持管理技術確立に向けたフィールド提供や、他自治体への人道吊橋補修にかかる情報提供を行う方針である。

現地視察会の様子(左岸) 現地視察会の様子(左岸)
渡り初め式の様子(右岸から左岸を臨む) 渡り初め式の様子(右岸から左岸を臨む)
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